「朝、起きるのがつらい」「仕事に行きたくない」「何のために働いているのかわからない」。そんな風に、仕事への「やる気」を失っていませんか?
もしあなたが障害を抱えながら働いている、あるいはこれから働こうとしているのなら、その悩みは決して珍しいものではありません。むしろ、それは「今の環境や働き方が、あなたに合っていないのかもしれない」という大切なサインです。
私たち就労移行支援事業所は、そうした悩みに寄り添い、あなたが自分らしく、やりがいを持って働き続けるための「道筋」を一緒に見つける専門家です。この記事では、「やる気が出ない」という悩みの正体を解き明かし、就労移行支援がどのようにしてその問題を解決に導くのかを、具体的なデータと共にご紹介します。
「やる気が出ない」のは、決してあなたの根性や努力が足りないからではありません。多くの場合、その背景には構造的な問題が潜んでいます。障害のある方が働く上で特に直面しやすい5つの壁を見ていきましょう。
離職の最も大きな原因の一つが、仕事内容のミスマッチです。これは2つの側面があります。
企業側も、障害のある社員にどのような業務を任せればよいか分からず、結果としてミスマッチが起きてしまうケースは少なくありません。この「ズレ」が、日々のモチベーションを少しずつ削いでいくのです。
障害の有無にかかわらず、人間関係は離職の大きな要因です。特に、障害特性からコミュニケーションに苦手意識があったり、自分の意思をうまく伝えられなかったりすると、職場で孤立しやすくなります。
また、周囲の社員に障害への理解が不足していると、「当たり前にできるはず」といった思い込みや、逆に腫れ物に触るような過剰な気遣いが生まれ、円滑な関係構築を妨げます。厚生労働省の調査でも、精神障害のある方の離職理由として「職場の雰囲気・人間関係」が最も多く挙げられています。
合理的配慮とは、障害のある人が他の従業員と平等に働けるように、企業が提供するべき調整や変更のことです。例えば、「聴覚過敏のある人に静かな席を用意する」「疲れやすい人に時短勤務を認める」といった配慮がこれにあたります。
この配慮が不足していると、心身に大きな負担がかかり、働き続けることが困難になります。一方で、良かれと思って行われる「過剰な配慮」も問題です。「危ないから」と一切の業務を任せなかったり、常に特別扱いをしたりすることは、本人の働く意欲や自尊心を傷つけ、「自分は必要とされていない」という疎外感につながります。
「この会社にいても成長できないのではないか」「ずっと同じ作業を続けるだけで、将来が見えない」。こうしたキャリアへの不安も、モチベーションを低下させる大きな要因です。障害があるという理由だけで昇進や昇給の機会が与えられなかったり、評価の基準が不透明であったりすると、仕事への意欲は著しく低下します。
パーソル総合研究所の調査では、障害者雇用で働く人のうち、係長以上の役職に就いているのはわずか7.2%に留まり、多くの人が長期的なキャリア形成に課題を感じている実態がうかがえます。
障害のある方は、日々の通勤や業務遂行に、健常者以上のエネルギーを消耗している場合があります。「周りに迷惑をかけたくない」という思いから無理をしがちで、疲労やストレスを溜め込んでしまうことも少なくありません。自分の体調変化をうまく上司に伝えられなかったり、相談できる環境がなかったりすると、心身のバランスを崩し、最終的に就労継続が困難な状態に陥ってしまいます。
これらの壁を背景に、障害のある方の職場定着は依然として大きな課題です。障害者職業総合センター(JEED)の調査によると、障害のある方が就職して1年後も同じ職場で働き続けている割合(職場定着率)は58.4%。つまり、約4割の方が1年以内に離職しているのが現状です。
特に、外見からは分かりにくい精神障害のある方の場合、1年後の定着率は49.3%と半数を下回っており、その困難さが際立っています。また、企業規模が小さいほど定着率が低い傾向も見られます。
しかし、希望もあります。厚生労働省の調査では、就労移行支援を利用して就職した場合、就職後6ヶ月時点での職場定着率は89.5%という非常に高い数値を示しています。
この大きな差は、専門的なサポートを受けることで、前述したような「壁」を乗り越え、安定して働き続けられる可能性が格段に高まることを示唆しています。
では、就労移行支援事業所は具体的にどのようにして「やる気」の問題にアプローチするのでしょうか。それは、単に求人を紹介するだけではありません。「自己理解」「スキル習得」「マッチング」「定着支援」という4つのステップを通じて、あなたが主体的にキャリアを築くための土台作りをサポートします。
やる気を取り戻す最初のステップは、自分自身を正しく理解することです。就労移行支援では、専門の支援員との面談や様々なプログラムを通じて、以下の点を明らかにしていきます。
これは、企業に提出するための「自分の取扱説明書」を作る作業です。自分を客観的に理解することで、企業に対して必要な配慮を具体的に伝えられるようになり、ミスマッチを防ぐ第一歩となります。
「自分には何もできない」という無力感は、やる気を奪う大きな敵です。就労移行支援では、働く上で土台となる様々なスキルを習得できます。
小さな「できた」を積み重ねることで、失っていた自信を取り戻し、「自分も貢献できる」という自己効力感(やればできるという感覚)を高めることができます。これが、仕事への意欲、すなわち内発的動機付けの源泉となります。
自己理解とスキルという武器が揃ったら、いよいよ就職活動です。就労移行支援では、専門スタッフがマンツーマンであなたの活動をサポートします。
「就労移行支援を使っても就職できないのでは?」という不安は不要です。厚生労働省のデータでは、利用者の就職率は56.2%にのぼります。適切な準備とサポートがあれば、道は開けます。
内定はゴールではなく、スタートです。就労移行支援の真価は、就職後の「定着支援」にあります。働き始めると、新たな悩みや壁にぶつかるものです。
この定着支援は、就職後原則6ヶ月間利用できます。さらにサポートが必要な場合は、「就労定着支援事業」という別のサービスに切り替えることで、最長3年間の支援を受けることが可能です。一人で抱え込まずに済むこのセーフティネットがあるからこそ、多くの方が安心して働き続けられるのです。
「仕事にやる気が出ない」という悩みは、あなた一人だけの問題ではありません。それは、より良い働き方を見つけるための重要なきっかけです。日本における障害者雇用は年々拡大しており、2024年には雇用者数が約67.7万人と過去最高を更新しました。
企業もまた、法定雇用率の引き上げ(2026年7月には2.7%へ)を背景に、多様な人材を求めています。しかし、ただ雇用するだけでなく、いかに「定着」し、「活躍」してもらうかという「雇用の質」が問われる時代になっています。
私たち就労移行支援事業所は、あなたと企業の架け橋となる存在です。あなたの「やる気」のスイッチがどこにあるのかを一緒に探し、あなたが能力を発揮できる環境を整え、長く働き続ける未来をサポートします。
もし今、あなたが立ち止まっているのなら、どうか一人で悩み続けないでください。お近くの就労移行支援事業所に相談することから、新しい一歩を始めてみませんか。私たちは、いつでもあなたの味方です。